国選弁護について

勾留された方のご家族から、国選弁護人より私選弁護人の方が良いのではないかというご相談を受けることがありますが、国選弁護人のままで問題ないと助言しています。私自身もそうですが、国選でも私選でも刑事弁護の内容は同じだという弁護士が殆どかと思います。また、富山県のような地方の弁護士は国選事件の配点を受けることが都市部の弁護士に比べて多く、若手の弁護士でも刑事弁護の経験を積んでいます。呉西地域で国選弁護人から私選に切り替えた方が良いということは、まずないと思っています。

※上記は一般的な刑事事件についてのものです。裁判員裁判対象事件については一定の研修を受けた弁護士が国選弁護人となりますし、マスコミから注目されるような重大な事件については弁護士会からしかるべき弁護士が派遣されると聞いております。したがって、こうした事件でも国選弁護人から敢えて私選弁護人に切り替える必要性に乏しいように考えております。

※(2024年11月4日追記)昨年裁判員裁判の研修を受けたのですが、まだ経験の浅い若手弁護士たちがとても熱心に研鑽を深めているのを目にしました。刑事弁護の分野、特に逮捕されてから裁判になるまでのいわゆる被疑者段階での弁護活動は民事や家事とは大きく異なり、弁護士としての経験より最新の知識や技術と情熱がものを言います。この分野では、弁護士になりたての熱意ある人が素晴らしい結果を出すことが普通にあるのです。実際に、富山県では(富山でも高岡でも)若手弁護士たちが刑事弁護で目覚ましい活躍をしていると聞きます。

 時折、身内が刑事事件を起こしたので私選弁護人を依頼したいという問い合わせをいただきますが、そうした方々への御参考に、追記した次第です。

 

 

2021年10月29日